「既卒になったらもう人生終わりだよ」
誰かに直接言われたわけじゃない。
だけど、就職活動に失敗したあの春、私は勝手にそう思い込んでいました。
テレビのニュースで大手企業の内定式の様子が流れる中、私は自分の部屋で一人、何者でもなくなった自分について考えていました。
でもあれから時間が経って、いま私は、社会人として日々働き、暮らし、それなりに誰かに必要とされる日常を生きています。
「既卒=人生終了」は、ただの幻想でした。
この記事では、かつての私と同じように不安でいっぱいのあなたに向けて、「既卒になったら本当に人生は終わりなのか?」を、経験者の視点からまっすぐお伝えします。

レールの外って、意外と面白い景色が見える場所なんだよ
「就活失敗=人生終了」という根拠のない言葉


自分の人生はまったくうまくいっていないのに、SNSでは「5社内定もらいました!」といった内定報告の嵐。
新卒として入社して「初任給何に使おう?」と話す同級生たち。
既卒になると、「みんなの人生は進んでいるのに、自分だけ止まっている」と感じてしまいます。
そして、その時感じる焦燥感や劣等感によって、誰も「お前の人生は終わった」なんて言っていないのに、 自分自身がそう思い込んでしまったりします。
加えて、ネット上でも「既卒は不利」「一生非正規になる」といった根拠のない書き込みが目につきやすくなります。
たしかに現実的な厳しさはあるけれど、それが「人生終了」に直結するという情報には、根拠がありません。
知らず知らずのうちに、そうした言葉に振り回されていた自分に、私は後になって気づきました。
普通の道から外れる怖さ
大学に入って、卒業して、就職して、安定した生活を手に入れる。
そういう「テンプレート」が世の中にはあります。
そして、そのルートから一度外れてしまうと、 戻れないような気がして、どんどん不安になる。
私も、既卒として就職活動を始めたとき、あまりにもうまくいかなくて、 「企業は既卒なんて相手にしない」 「もう正社員はムリだ」と思ったこともあります。
ネットに助けを求めても、出てくるのは不安をあおる情報ばかり。
気づけば、自分で自分の未来を狭めていました。
でも実際には、それは「思い込みの世界」での話でした。
既卒=人生終了ではなかった


たしかに、既卒としての就職活動は厳しいものでした。
私の場合、2年間の空白期間があったので、
とくに厳しい就活となりました。
でもそれでもやり遂げて、最終的には内定をもらい社会に出ました。
その後は、みんなから遅れた分必死で働き、転職する時には、合計で4社から内定をもらうことができました。
新卒の時は、最強だと言われる“新卒カード”を持っていた時には、1社内定をもらうのも無理だったのに、転職では、簡単に複数社から内定をもらうことができました。
もしも私があの時、「既卒だからもう人生終わりだ」と諦めていたら、仕事で評価されることも、お金を稼ぐことも、好きな人とデートすることも、美味しいものを食べることもできなかったはずです。
書類選考に全然通らなかった時、面接がうまくいかなかった帰り道、「自分はこの社会に必要ない存在なんじゃないか?」といつも思っていました。
やっぱり、ネットに書いてある「既卒になったら人生終了」という言葉は、本当のことなんじゃないだろうか?と思っていました。
でも疑いながらも、前に進み続け、結果的に私は「既卒になっても人生は終わらない」ということを証明することができました。
既卒というラベルの外側にあるもの
既卒という言葉は、あくまで「今の状態」を表す一時的なラベルでしかありません。
それがあなたの「能力」や「価値」を決めるものではないし、未来の選択肢を制限するものでもありません。
むしろ、「回り道をしたからこそ得られた視点」や「挫折を経験したからこその強さ」が、就活の場や、これからの人生で大きな武器になります。



遠回りした分だけ、見える景色も深くなるんだよ
もしも今、あなたが絶望の中にいるとしたら


もしかしたらあなたは、今この記事を、うまくいかなかった面接の帰り道の電車の中で読んでくれているかもしれません。
あるいは、志望度の高かった企業からのお祈り通知をもらった夜に、読んでいるかもしれません。
ネットで「既卒になったら人生終了」という言葉を目にして、「本当にそうなのだろうか?」と不安になりながら、読んでくれているかもしれません。
一人の人生経験は、誰にでも当てはまるものではないから、「私が大丈夫なのだから、あなたも大丈夫」という理屈は、必ずしも正しくはありません。
「でも既卒になったくらいじゃ人生は終わらない」ということだけは、自信を持ってお伝えしたいです。
大学生の頃は気づきませんでしたが、世の中って本当に色々な人がいます。色々な人生があります。
まだ人生経験が浅かったり、自分が当事者になっていたりする時には、周りが「そんなことくらいで」ということでも、苦しくなる気持ちはわかります。
でも苦しさも、ちょっと視点を変えるだけで消えてなくなることもあります。
「この状況から就職できたら自分すごくね。他の悩みなんて多分どうでも良くなる」
「同級生はみんなストレスでキツそうだけど、何の予定もない自分って幸福度MAXじゃね?」
私や、今社会に出ているほとんどの人から見れば、あなたは可能性の塊です。月並みな言葉ですが、何にだってなれます。
会計士を目指すのもよし、プログラマーになるのもよし、アルバイトをしながら作家を目指すのもよし、YouTuberになるのもよし。あなたは可能性の塊なんです。
おわりに:既卒という時間にも、意味があった
もし、あのとき就活がうまくいっていたら——。
私は、今のような、ただ働けるということに対しての感謝の気持ちや、視野の広がりを持てなかったかもしれません。
「既卒」という時間が、私にとっては立ち止まって人生について深く考えるチャンスでした。
就職はゴールじゃなくて、人生の一部です。
遠回りも、挫折も、後から振り返ればその人らしい物語の一部になります。
だからどうか、今のあなたを否定しないでください。
少し疲れたら、平日の昼間に温泉やカラオケに行きましょう。
働き始めたら、平日の昼間に気軽に出かけることもできなくなるのですから。
「既卒=人生終了」じゃない。
むしろ——立ち止まって悩み抜いたからこそ、
あなたの人生はここからもっともっと飛躍していくはずです。





